問い1 中学受験は、するつもり?
- するつもり。塾や受験の情報が身近にある環境がいい。
- しないつもり。放課後に近所の友達と遊べる環境がいい。
- まだ決めていない。どちらになっても困らない環境がいい。
- 私立中への進学率は、区によって4倍以上の差があります。いちばん高い区で48.5%、低い区で10.6%、東京都全体で19.9%です。
- 分かるのは区単位までです。学校ごとの数字は公表されていません。
→ 資料A「区別の私立・国立中学進学率」
第1部で「みんなはどう選んでいるか」を知り、第2部で「公立小の学区をどう見るか」を整理する。
東京の子どもはどこへ進み、親は何を決め手にしているのか。何も分からない状態から、全体像をつかむための9章です。
東京の子どもの進み方は、全国とまるで違います。いちばん多いルートでも全体の4割弱。どのルートも「多数派」ではありません。
東京の学校に通う子ども100人を、小学校から高校まで追いかけると、次のようになります。
東京都の学校基本調査(学校所在地ベース、2024〜2025年度)から概算。都外から通う子を含みます。
中学までは公立が主流で、高校で私立が多数になる。これが東京の形です。全国では高校の7割が公立ですから、東京だけが逆転しています。
ルートごとに人数を数え直すと、こうなります。
→ 資料I「ルート別の比較表」
中学受験をする割合は、都全体で5人に1人。23区では4人に1人。都心の区では2人に1人。住む区で4倍以上の差があります。
中学受験は、家庭の方針で決めるものだと思われています。ところが数字を見ると、決めているのは「周り」です。
私立・国立の中学へ進む割合は、高い区で5割、低い区で1割。同じ区の中でも、受験率が5割を超える小学校と1割の小学校が隣り合っています。
東京都教育委員会「令和7年度 公立学校統計調査報告書」。高い低いは優劣ではなく「周りがどれくらい受験するか」の目安です。全区は資料Aに。
受験率の高い地域では、受験しない側が少数派になります。「塾に行かない子は、放課後に遊ぶ相手がいない」という声はここから出ています。逆に受験率の低い地域で受験を目指すと、情報も仲間も少なくなります。
受験する人数は2024年をピークに横ばい。ただし子どもの数が減っているので、受験率は高いままです。2027年入学は子どもの数が一時的に増え、競争がやや強まる見込みです。
「うちは受験しない」と決めていても、受験率の高い区に住めば、その空気の中で小学校生活を送ることになります。逆も同じです。
→ 資料A「区別の私立・国立中学進学率」
東京で最も多くの家庭が立つ分かれ道は、中学受験ではなく高校受験です。公立中に進んだ子のうち、都立高へ行くのは半分。3人に1人は私立高へ進みます。
東京都教育委員会「公立中学校等卒業者の進路状況調査」(令和8年3月卒、速報)。
2026年度から、国の高校授業料の支援に所得制限がなくなりました。東京都はさらに上乗せをしていて、私立高の授業料は年50万円まで実質かからなくなっています。
その結果、都立高を第一志望にする中学生の割合は年々下がり、過去最低を更新しています。都立高の3分の1以上で定員割れが起きています。ただし、進学指導に力を入れる都立高の倍率は下がっておらず、「上は堅い、真ん中が薄い」という形になっています。
一方で、高校からは入れない私立が増えています。都内の私立高の2割は高校からの募集をしておらず、中学から入るしかありません。「高校から考えればいい」と思っていた学校が、実は中学入試だけ、ということが起こります。
→ 資料I「ルート別の比較表」
幼稚園から高校までの15年間の費用は、すべて公立なら約610万円、すべて私立なら約1,970万円。差を生むのは「どの段階から私立にするか」です。
文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」。学校の費用に加えて、給食費・塾代・習い事を含む金額です。
中学受験をするなら、塾代が別にかかります。小学3年生の2月からの3年間で230〜290万円が目安で、6年生の1年だけで120〜140万円です。
私立の中高一貫校の6年間は、学費だけで約510万円。東京都の助成(私立中は年12万円、私立高は年50万円まで)を引くと、実質は300万円台になります。
→ 資料J「教育費の一覧」
決断の時期は、思っているより早く来ます。私立小なら年長の11月、中学受験なら小学3年生の2月。「まだ先」と思っているうちに、選択肢は静かに減っていきます。
住まいの話に直すと、こうなります。中学受験をするなら、3年生までに塾へ通える場所に住んでいる必要があります。転校をさせたくないなら、小学校入学までに住まいが決まっている必要があります。
教育のルートを決めるのは、子どもが大きくなってからでかまいません。でも「ルートを選べる場所に住んでおくか」は、未就学のうちに決まります。
受験する理由の上位は「環境」「6年間をのびのび」「同じ意欲の子と学ばせたい」。しない理由は「地元の公立で十分」「小学生の間はのびのび」。どちらも「のびのび」を望んでいます。
同じ言葉を使いながら、選ぶルートが分かれる。つまりルートの違いは、価値観の違いというより「どの時期をのびのびさせるか」の違いです。
実際の決め手は、子どもより親側の事情だという調査が多くあります。
子ども側で専門家が見ているのは、次の3つです。
「どの学校か」より先に、「どんな大人になってほしいか」。そこから逆引きすると、似た願いを持つ家庭が多く選んでいるルートと、その注意点が見えてきます。
正解はありません。似た願いを持つ家庭が実際にどのルートを多く選び、どこでつまずいているかを並べました。
| 望む未来 | 多い選択 | 注意点 |
|---|---|---|
| 難関大学に行ける学力を | 3〜4年生で塾 → 私立の中高一貫 | 「選択肢を増やすため」が目的だと、かえって狭まります。偏差値だけで学校を選ばない |
| 海外でも働ける子に | インター、英語コースのある学校、高校での留学 | 中学受験では英語がほぼ活きません。英語が得意なら高校受験の方が有利なことも |
| 好きなことを伸ばしたい | 公立小中で習い事を続け、高校受験 | 受験塾と習い事は、5年生で両立が難しくなります |
| 地元で友達と育ってほしい | 公立小中 → 都立高 | 受験率が4割を超える区では、「受験しない側」が少数派になります |
| 受験で消耗させたくない | 高校受験。または都立・区立の一貫校を1校だけ | 高校受験は制度が多様で、合格への道が複数あります |
| 早生まれ、のんびりした子 | 高校受験 | 15歳になると、生まれ月の差はほぼ消えます |
| 周りに合わせて、とりあえず塾に | 4年生で入塾 → 5年生で方針を決める | 目的のない入塾は「こんなはずじゃ」になりやすい。夫婦で目的を先に決める |
| 子ども自身が言い出した/言わない | 本人の意思を軸にする | 満足度がいちばん高いのは「子の意思を尊重できた」と答えた家庭です |
教育方針を型に分けると、「先取り進学型」「のびのび型」「英語・国際型」「探究型」「地元公立型」「様子見型」の6つになります。多くの家庭は様子見型から始まり、4年生の前後でどれかに寄っていきます。
→ 資料I「ルート別の比較表」
中学受験をした家庭の5〜6割が「後悔がある」と答えています。理由の上位は不合格ではなく、「きつい言葉を言った」「他の子と比べた」「習い事をやめさせた」でした。
受験を経験した本人に聞くと、7割が「やってよかった」と答えます。後悔しているのは親の方で、その中身は「関わり方」です。
途中でやめた家庭の理由は「子どもがやめたいと言った」が過半数。やめた家庭の9割以上が「やめてよかった」と答えています。撤退は失敗ではありません。
合格した後に悩む家庭も7割にのぼります。友達関係、心の不安定、成績。入学がゴールになると、そこから苦しくなります。
調査から読み取れるのは、満足と後悔を分けているのはルートの種類より、進め方だということです。
教育のルートは学校で決まると思われがちですが、実際は「塾と学校がどこにあるか」で選びやすさが決まります。ここが、住まいと教育がつながるところです。
「教育熱心な街」と呼ばれる場所は、3つの型に分かれます。文教地区として知られる「学区型」、世帯年収の高い「都心型」、大手塾が駅前にそろう「塾アクセス型」。塾アクセス型の街は、文教地区とは離れた場所にもあります。
「良い学区」を探すより、「うちのルートに必要なものが、通える距離にあるか」。第2部では、そのうえで公立小の学区をどう考えるかを整理します。
→ 資料K「区別の塾・学校の所在」
「良い学区」に決まった基準はありません。家庭によって答えが分かれる6つの問いと、物件が出たときに確かめる事実を整理します。
避けたいのは「良い学区に入れなかった」ことではなく、「何も考えずに決めて、合わなかった」ことです。
「なんとなく学区が気になる」。住まいを探し始めた方の多くが、そうおっしゃいます。よく聞いてみると、良い学区に入りたいというより、知らずに決めて後悔したくない、という気持ちがほとんどです。
学区が本当に動かせなくなるのは、上のお子さんが入学した後です。兄弟が同じ学校に通い始めると、転校させたくないという事情ができて、住まいの選択肢は一気に狭まります。
しかも東京23区のうち12区は、小学校を住所以外の方法で選ぶ制度がありません。選べる区も年々減っています。つまり、住む場所を決めることが、そのまま学校を決めることになります。
2027年4月入学の制度。申込日程と細かな条件は資料Bに。
→ 資料B「23区 小学校の就学制度 早見表」
「良い学区」に公的な基準はありません。語られている5つの基準のうち、事実で確かめられるのは3つだけです。
世間で「良い学区」と言われるとき、実際に見られているのは次の5つです。
| 基準 | 具体的に見られているもの | 事実で確かめられるか |
|---|---|---|
| ① 中学受験率・進学の文化 | 私立・国立中への進学率、通塾率、昔からの進学ルート | 区単位までは東京都が公表。学校単位は公表なし |
| ② 学校の規模と教室の余裕 | 学級数、教室不足や仮設校舎の有無、児童数の増減 | 確かめられる(各区が毎年公表) |
| ③ 家庭層・住環境 | 持ち家率や世帯年収、地価、繁華街の有無 | 学校の中身を示すものではない |
| ④ 通学路の安全 | 大通りの横断、踏切、坂 | 確かめられる(歩けば分かる) |
| ⑤ 制度上の入りやすさ | 住所で決まるか選べるか、抽選、指定校変更 | 確かめられる(各区の公式ページ) |
「あの小学校は良い」という噂の多くは、①と③の印象で語られています。ところが、この2つは確かめようがありません。
よく名前の挙がる学校に通わせている保護者の多くも、「普通の学校です」と答えています。学校を優劣で選ぶのは、そもそも無理があります。
だから、このガイドは学校を比べません。比べるのは、「うちの家族の条件」と「その学区の事実」が噛み合うかどうかです。
学区を見るときの論点は、ほぼこの6つに集まります。どの答えが正しいということはなく、答えによって見るべき事実が変わります。
それぞれの問いについて、よくある考え方、条件が合わなかったときに起きること、確かめられる事実を並べました。
→ 資料A「区別の私立・国立中学進学率」
→ 資料C「預け先を理由に学校を変えられる区」、資料H「区の子育て支援の違い・相談先」
→ 資料D「学校の規模と教室の状況」
→ 第7章「物件が出たら、確認する10項目」
→ 第4章「条件どうしは、ぶつかる」
→ 第5章「セーフティを知る」
6つの問いの答えを全部満たす学区は、まず見つかりません。何を優先するかに正解はなく、家庭によって順番が違います。
6つの問いを見ていくと、条件がいくつも出てきます。ところが、条件どうしはよくぶつかります。
優先の置き方は、家庭によってさまざまです。たとえば、次のような考え方があります。
どれが良い、ということはありません。学区は、通勤時間、家の広さ、実家との距離などと並ぶ、住まい選びの条件のひとつです。
大事なのは、何を優先して何を譲ったのかを、自分たちで分かっていることです。
学区を選ぶとき、多くの方が「入る前」のことだけを考えます。でも本当に差が出るのは、合わなかった「後」です。
入学時に問題がなくても、学年が上がるにつれて起こり得ます。そして学校の見立てと家庭の実感は、一致しません。
受験率の高い区でも、不登校は起きています。中学生の不登校率が東京都の平均を上回っている区もあります。「良い学区だから安心」とは言えません。
→ 資料E「受け皿の種類と費用」
「学区の評判」と「受け皿の厚さ」は、まったく別の軸で決まっています。
→ 資料F「23区の受け皿一覧(小学生向け)」
住まいを決めたときの学区が、入学時もそのままとは限りません。
通学区域は番地で決まります。同じ町内、同じ丁目でも、番地によって通う学校が分かれます。道路の東か西か、同じ番地の中の特定の棟だけ、という分かれ方もあります。
→ 資料G「通学区域の変更・統廃合の予定」
隣の学区の学校を選べる区は8区、距離の条件付きで選べる区は2区、特認校がある区は1区です。ただし申込の締切は10月末〜11月上旬が多く、7月に締め切る区もあります。
引っ越しと住民票の異動が間に合わなければ、選べません。兄弟がいても優先されない区があります。
→ 資料B「23区 小学校の就学制度 早見表」
気になる物件が出たら、学区まわりはこの10項目を事実で確かめられます。
迷いやすい5つの質問に、事実で答えます。
ひとつの学区にこだわらず、6つの問いに照らして条件の近い学区を探す方法があります。隣の学区を選べる区なら、隣に住んで希望の学校を選ぶ道もあります。
口コミでは判断できません。見られるのは、児童数の推移、教室の状況、学校公開日の様子、そして区の受け皿の厚さです。「良い学校かどうか」より、「うちの子が合わなかったときに動けるか」で見ることをおすすめします。
区の通学区域一覧で、番地まで照合してください。迷ったら区の担当課に電話するのが確実です。購入後に「違う学校だった」と分かっても、変更は簡単には認められません。
合法的な方法は2つだけです。隣の学区を選べる区の選択制を使うか、転居予定・兄姉の在学・預け先・いじめなど、区が定めた理由で指定校変更を申請するかです。住民票だけを移す方法は法律違反で、区は現地調査をします。入学後でも転校になります。
学区から入らなくても探せます。通勤時間や預け先など、動かしにくい条件を先に置くと、区がいくつかに絞れます。そのうえで6つの問いを順に見ていくと、確かめるべき事実が分かります。
本文に出てきた数字の元データと、区ごとの一覧です。A〜Hは第2部、I〜Kは第1部の元データです。必要なところだけ開いてください。学校名は、事実の例としてここにだけ載せています。
公立小学校の卒業生のうち、私立・国立などの中学へ進んだ割合です。高い低いは優劣ではなく、「周りがどれくらい受験するか」の目安です。
| 区市 | 私立中 | 私立+国立 | 都立・区立一貫校も含む | 都外の中学も含む |
|---|---|---|---|---|
| 文京区 | 48.5% | 50.1% | 52.9% | 57.8% |
| 千代田区 | 44.1% | 44.7% | 59.1% | 63.6% |
| 港区 | 41.9% | 42.8% | 43.6% | 50.7% |
| 目黒区 | 41.8% | 42.4% | 44.1% | 48.1% |
| 中央区 | 39.6% | 40.4% | 42.0% | 49.6% |
| 渋谷区 | 36.3% | 37.4% | 38.6% | 41.0% |
| 新宿区 | 36.0% | 37.3% | 39.2% | 41.8% |
| 世田谷区 | 35.1% | 35.8% | 37.3% | 39.5% |
| 杉並区 | 32.0% | 33.1% | 35.3% | 37.0% |
| 武蔵野市 | 31.7% | 32.0% | 35.5% | 36.9% |
| 23区 合計 | 25.0% | 25.6% | 27.3% | 30.4% |
| 東京都 全体 | 19.9% | 20.3% | 22.1% | 24.8% |
東京都教育委員会「令和7年度公立学校統計調査報告書 進路状況調査編」第1表(2025年3月卒)から算出。千代田区の一貫校には区立の中等教育学校14.0%を含みます。低い側は葛飾区12.0%、足立区11.8%、江戸川区10.6%。学校別の数値は公表されていません。
小学校を住所以外で選べるかどうかと、2027年4月入学の申込日程です。
| 制度 | 区 |
|---|---|
| 隣の学区の学校を選べる | 港・墨田・品川・豊島・荒川・板橋・足立・葛飾 |
| 距離の条件付きで選べる | 江東(徒歩30分・約2km)、江戸川(約1.2km) |
| 特認校を区内全域から申し込める | 中央(5校) |
| 住所で決まる | 千代田・新宿・文京・台東・目黒・大田・世田谷・渋谷・中野・杉並・北・練馬 |
| 区 | 小学校 | 中学校 | 備考(2027年4月入学の日程など) |
|---|---|---|---|
| 千代田 | 住所で決まる | 自由に選べる | 中学は区内2校から |
| 中央 | 住所で決まる+特認校5校 | 自由に選べる | 特認校の申請10/1〜15、11月上旬結果 |
| 港 | 隣の学区を選べる | 自由に選べる | 全員が希望票を提出。10月中旬配布→11月上旬締切→12月上旬抽選 |
| 新宿 | 住所で決まる(2018年に選択制廃止) | 自由に選べる | 中学の受付9/16〜10/16 |
| 文京 | 住所で決まる | 自由に選べる | 中学は12月上旬抽選 |
| 台東 | 住所で決まる | 自由に選べる | 中学は10/16締切 |
| 墨田 | 隣の学区を選べる(2017年に全域から縮小) | 自由に選べる | 11/4締切、11/20抽選 |
| 江東 | 徒歩30分・約2km圏で選べる(自転車不可) | 自由に選べる | 11月上旬締切、12月上旬抽選 |
| 品川 | 隣の学区を選べる(2020年に全域から縮小) | 自由に選べる | 10/1〜31申請、11/27〜12/2抽選 |
| 目黒 | 住所で決まる(隣接希望は2019年から休止) | 隣の学区を選べる | 中学は9/11〜10/2申請、11/5抽選 |
| 大田 | 住所で決まる | 住所で決まる | 指定校変更は12/3〜31申請、2月抽選 |
| 世田谷 | 住所で決まる | 住所で決まる | 「自由に選ぶことはできません」と明記。2027年度は8校が受入制限 |
| 渋谷 | 住所で決まる(2022年に選択制廃止) | 自由に選べる | 廃止直前は抽選113名中当選3名 |
| 中野 | 住所で決まる | 住所で決まる | |
| 杉並 | 住所で決まる(2016年に選択制廃止) | 住所で決まる | 「特色ある教育活動」を理由に隣接校へ申立可。各校10人まで |
| 豊島 | 隣の学区を選べる | 隣の学区を選べる | 9/30締切、11/26抽選。受入枠のない学校が4校 |
| 北 | 住所で決まる | 住所で決まる | |
| 荒川 | 隣の学区を選べる(制限校が1校) | 自由に選べる | 11月中旬提出、12月下旬抽選。兄姉の優先なし |
| 板橋 | 隣の学区を選べる | 自由に選べる | 9/28消印、10/16抽選 |
| 練馬 | 住所で決まる | 自由に選べる | 2027年4月から一部の通学区域を変更 |
| 足立 | 隣の学区を選べる | 自由に選べる | 10/21締切、12/10〜17抽選。受入停止校あり、兄姉の優先なし |
| 葛飾 | 住所で決まる+隣接校の希望可 | 住所で決まる+区域外の希望可 | 10月末申請、抽選は優先度順 |
| 江戸川 | 直線1.2km圏で選べる | 自由に選べる | 小学校は7/17締切・9/4結果(他区より早い) |
全23区の教育委員会公式ページで確認(2026年9月時点)。抽選は受入枠を超えた学校だけで、対象は学区外の希望者です。多摩地域は概ね住所で決まり、町田(隣接)・西東京(自由)・日野(ブロック)が例外です。
共働きなどで放課後の預け先が学区の外にあるとき、その近くの学校に指定校を変更できるかどうかです。
| 区 | 祖父母・親族の家の学区の学校 | 学童クラブがある学区の学校 |
|---|---|---|
| 港 | 認める(親族宅・勤務先、全学年) | 明記なし |
| 中央 | 明記なし | 認める |
| 江東 | 基準にない | 基準にない |
| 品川 | 認める(親族に限る) | 明記なし |
| 世田谷 | 認める(新入学時のみ) | 保育施設等に含まれると読める |
| 杉並 | 認める(小1〜3) | 「学童が近い」だけでは不可と明記 |
| 練馬 | 親権者の不在などに限る | 認める |
| 大田 | 認める(週3回以上、2親等以内) | 認める(週3回以上、利便性が明らかな場合) |
| 江戸川 | 認める | 明記なし |
| 足立 | 認める | 明記なし |
| 墨田 | 認める(小3まで) | 認める(小3まで) |
| 北 | 認める(週3日3時間以上の就労など) | 時間の要件あり |
| 台東 | 認める(実家) | 認める |
| 豊島 | 認める(親戚宅での一時保護) | 明記なし |
| 板橋 | 明記なし | 認める(保育施設等) |
| 葛飾 | 認める | 認める |
| 目黒 | 認める(小3まで) | 認める(小3まで) |
| 渋谷 | 基準にない | 基準にない |
| 新宿 | 認める(3親等内、隣の学区まで) | 認める |
| 千代田 | 区外からの就学で祖父母宅を明記 | 明記なし |
| 文京・荒川 | 基準が非公開 | 基準が非公開 |
各区の指定校変更の審査基準(2026年9月時点)。受入先の学校の状況によっては認められないことがあります。
同じ23区の中でも、学校の規模と教室の余裕には大きな幅があります。事実の例として学校名を挙げています。
| 状況 | 例(区・学校・児童数) |
|---|---|
| 児童1,000人を超える | 港区 港南小 1,129人/中央区 晴海西小 1,122人(1年生だけで9学級)/目黒区 東山小 1,062人/文京区 窪町小 1,001人 |
| 各学年1学級 | 渋谷区 常磐松小 144人/港区 青山小 155人/千代田区 昌平小 229人 |
| 急に増えている | 港区 白金小 587人→746人(2019→2023年)/港区 南山小 10年で約2倍/新宿区 愛日小 220人→488人(2009→2025年) |
| 減っている | 千代田区 番町小 438人→364人(2023→2026年)。千代田区の区立小全体は2022年がピーク |
| 教室が足りない | 文京区 誠之小(24学級設計の新校舎に29学級、副校長2名体制)/文京区 窪町小(隣の再開発ビルを借りて2028年度から使用予定)/港区 港南小(仮設校舎を2032年まで延長する案)/中央区 晴海西小(2027〜28年度は仮設校舎、その後に第二校舎) |
| 改築・仮校舎の予定 | 武蔵野市 井之頭小(2026〜28年度、仮設校舎)/文京区 千駄木小(改築計画中)/世田谷区 深沢小・砧小(改築中)/千代田区 番町小(建替え計画中)/渋谷区 神南小(工事 2026年9月〜2029年7月) |
各区教育委員会の公表資料(2025〜26年)から。児童数は年度で変わります。学校の優劣を示すものではありません。
合わなかったときに使える受け皿を、出席扱いになるか・費用・注意点で並べました。
| 受け皿 | 出席扱い | 費用の目安 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 校内の別室(校内教育支援センター) | 出席 | 無料 | 小学校の設置率は49%。利用者の2割が教室に戻り、5割が改善。全校設置を明記しているのは千代田・台東・品川・荒川・練馬 |
| 区の教育支援センター | 出席扱い | 無料 | 全区にあるが、対象学年の下限と拠点数が区で違う。利用は不登校の小学生の8% |
| フリースクール | 校長判断 | 月額の中央値3.8万円 | 東京都の助成が月2万円(所得制限なし)。区の上乗せがあるのは港・品川・荒川・足立・板橋(各2万)、北・葛飾(各1万)。約9割の家庭が費用を負担に感じている |
| オンライン教材 | 条件付き | 月0.9〜2.8万円 | 都の助成対象外。学校外の施設に通えない場合が前提 |
| 学びの多様化学校(不登校特例校) | 出席 | 公立は無償 | 都内14校で全国最多だが、小学生が入れる公立は八王子市(市内のみ、小4〜)と大田区(小4〜6)だけ |
| 転校(指定校変更) | 出席 | 無料 | 「いじめ・不登校」を理由に明記している区: 杉並・港・練馬・北と八王子市。明記のない区は個別判断。いじめ理由の指定校変更は全国で年383人と少なく、最後の手段 |
文部科学省(2025年)、東京都フリースクール等利用者支援事業、各区教育委員会。2026年9月時点。
見るべきは「対象学年の下限」と「校内の別室があるか」です。
| 区 | 校外の教育支援センター | 校内の別室 | フリースクール上乗せ |
|---|---|---|---|
| 千代田 | 1拠点(小中) | 全小中に設置 | — |
| 中央 | 1拠点 | 小学校全校化を進行中(2025〜27年) | — |
| 港 | 1拠点 | 段階的に配置 | 月2万円 |
| 新宿 | 1拠点+出張型5 | 未確認 | — |
| 文京 | 1拠点(小3以上) | モデル校 小15校/20校 | — |
| 台東 | 1拠点 | 全校 | — |
| 墨田 | 1拠点(小3以上・欠席30日以上) | 中学のみ | — |
| 江東 | 4拠点(学年下限なし) | 全校配置の方針 | — |
| 品川 | 4拠点(小3または小5以上) | 全校 | 月2万円 |
| 目黒 | 3拠点 | 未確認 | — |
| 大田 | 5拠点(小4以上) | 2028年度に全校目標 | —(小学生向け特例校あり) |
| 世田谷 | 4拠点 | 未確認 | — |
| 渋谷 | 1拠点 | 未確認 | — |
| 中野 | 3拠点(小1〜) | 中学全校+小5校 | — |
| 杉並 | 4拠点(1つは小学生専用) | あり | — |
| 豊島 | 1拠点(小4以上) | 小学校は2026年2学期から順次 | — |
| 北 | 1拠点+児童館3 | 小3校・中学全校 | 月1万円 |
| 荒川 | 1拠点(小1〜) | 全校+スタッフ週3日 | 月2万円 |
| 板橋 | 2拠点(小4以上) | 中学全校+小3校 | 月2万円 |
| 練馬 | 小学生専用2拠点(全学年) | 全校 | — |
| 足立 | 3拠点(1つは小学生専用) | 25か所 | 月2万円 |
| 葛飾 | 1拠点(小1〜) | 中学全校+小4校 | 月1万円 |
| 江戸川 | 6拠点 | あり | — |
各区教育委員会の公表資料と東京都「多様な学びの場・居場所ナビ」から(2026年9月時点)。「未確認」は公式で確認できなかった意味で、制度がない意味ではありません。小1・2から使えるのは荒川・中野・練馬・江東・葛飾・品川(オンライン)など。文京・墨田は小3から、大田・板橋・豊島は小4からです。
2024年以降に決まった、通学区域の変更・受入制限・学校の統合です。
| 区市 | 変更・予定 | 時期 |
|---|---|---|
| 港区 | 芝浦4丁目全体を芝浜小から芝浦小へ。2050年に小学生が18%増える見込みで、学校施設の整備方針を2027年3月に策定予定 | 2025年度入学〜 |
| 中央区 | 月島地域の通学区域を変更。晴海西小は仮設校舎(2027〜28年度)の後、第二校舎を晴海4丁目に開設予定 | 2025年4月〜 |
| 品川区 | 東品川4丁目11〜13番を城南小から城南第二小へ | 2026年4月 |
| 新宿区 | 愛日・早稲田・四谷・四谷第六・落合第一・西戸山の6校が指定校変更の受入困難 | 2027年度入学 |
| 世田谷区 | 桜・桜丘・中丸・松丘・二子玉川・明正・芦花・山野の8校が受入制限 | 2027年度入学 |
| 練馬区 | 練馬小・高松小の環八南側を春日小へ | 2027年4月〜 |
| 葛飾区 | 柴又小と東柴又小を統合 | 2027年度 |
| 江戸川区 | 江戸川小と下鎌田東小(2028年4月)、小松川小と平井東小(2030年4月)など統合が続く | 2025〜2031年 |
| 渋谷区 | 猿楽小・千駄谷小・笹塚小を中学校の新校舎で小中一貫校に | 2026年〜 |
| 武蔵野市 | 第一小・第五小・井之頭小は通学距離を理由とした指定校変更を認めない。井之頭小は改築中 | 2019年〜 |
各区市の教育委員会、東京都教育委員会「設置・廃止等一覧」(2026年4月更新)から。
給食費の無償化と18歳までの医療費助成は、2025年度に23区すべてで揃いました。差がつくのは、それ以外です。
出典: 東京都福祉局「学童クラブの待機児童」「障害児通所支援事業所の利用状況等調査」、各区公式、東京都教育委員会(2025〜26年)。
第1部で触れた7つのルートを、開始時期・費用・親の負担・主なリスクで並べたものです。費用は幼稚園から高校までの目安で、家庭によって大きく変わります。
| ルート | 始める時期 | 決断の期限 | 幼〜高の総費用(目安) | 親の負担 | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校受験(私立・国立小) | 年少の11月〜年中 | 年中の秋(出願9月・考査11月) | 約2,200〜2,400万円 | 幼児期に集中して大きい | 倍率5〜10倍。小学校で進路が固定。都の私立小への助成はない |
| 中学受験 → 私立の中高一貫 | 3年生の2月 | 3年生の冬の入塾、6年生の秋の志望校確定 | 約1,150〜1,250万円 | 4〜6年生の3年間で最大 | 塾代340〜400万円。撤退・転塾が4割。親の精神的な負担 |
| 都立・区立の中高一貫 | 4〜5年生 | 5年生の春の塾、1月上旬の出願 | 約780〜890万円 | 中〜大(作文・報告書) | 倍率3〜4倍で1校だけ。不合格なら地元の中学へ |
| 公立中 → 高校受験 | 中1(内申が始まる) | 中3の12月 | 約740〜900万円 | 中学3年間で中くらい | 内申の学校間差。部活の縮小。都立の定員割れ増 |
| インター・英語ルート | 2〜3歳(プリスクール) | 小学校入学時 | 3,000〜7,000万円(学費のみ) | 費用の負担が最大 | 就学義務の扱い、日本語力、途中でやめにくい |
| 公立小中 → 都立高 | 特になし | 中3の12月 | 614〜665万円+塾代(700〜800万円) | 小さい | 内申、学区差、不登校の受け皿 |
| 通信制・オルタナティブ | 随時 | 随時 | 公立並み〜プラス年84〜99万円 | 中(家庭の関与が大きい) | 一条校でない学校は、籍や出席の扱いが学校ごとに違う |
各塾・学校の2026年資料、文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」、東京都「私立中学校・高等学校の学費状況(令和8年度)」から作成。
学校の費用と、塾・習い事を含めた年間の目安です。「私立小 → 公立中高」など、上の表にないルートもこの年額から組み立てられます。
| 段階 | 公立(年額) | 私立(年額) |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 18.5万円 | 34.7万円 |
| 小学校 | 36.7万円 | 174.2万円 |
| 中学校 | 54.2万円 | 156.0万円 |
| 高校 | 59.7万円 | 117.9万円 |
文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(2026年1月訂正版)。学校教育費・給食費・学校外活動費(塾・習い事)の合計。塾などの学校外の学習費は、中学だけ公立(27.2万円)が私立(23.7万円)を上回ります。
| 区分 | 目安 |
|---|---|
| 中学受験塾 4〜6年生の3年間 | 大手4社で約233万〜287万円。6年生の1年で126〜138万円 |
| 高校受験塾 中1〜中3 | 平均約103万円(中3で46万円)。都内の上位塾は150〜200万円 |
| 大学受験の予備校 高3 | 92〜100万円 |
| 私立中 初年度の納付金 | 平均104.8万円(令和8年度、最高211.8万円・最低66.8万円) |
| 私立高 初年度の納付金 | 平均100.8万円 |
| 私立の中高一貫 6年間 | 納付金のみ約510万円。都の助成(私立中 年12万円、私立高 年50.1万円まで)を引くと実質約320万円。塾・制服・部活込みでは約820万円 |
| 都の助成 | 私立中の授業料助成 年12万円(所得制限なし、2026年度)。私立高は国45.72万円+都4.38万円=50.1万円まで(所得制限なし) |
2026年9月に各塾・各校の公式サイトから数えたものです。校舎数は1〜2の誤差があります。「ある・ない」は優劣ではなく、通いやすさの目安です。
| 塾(主な対象) | 23区の校舎数 | 分布の特徴 |
|---|---|---|
| SAPIX(難関中学受験) | 20 | 港3・世田谷3・中央2。足立・葛飾・江戸川・板橋・大田・台東・墨田・荒川には校舎なし |
| 四谷大塚 直営(中学受験) | 16 | 新宿3・世田谷3・中央2。城東・城北はほぼなし |
| グノーブル(難関中学受験) | 8前後 | 世田谷2、千代田・中央・渋谷・豊島・練馬 |
| 日能研(中学受験) | 35 | 世田谷5・港4・品川3。足立2・江戸川0 |
| 早稲田アカデミー(中学・高校受験) | 53 | 世田谷6・杉並5・練馬5・港4・大田4。城東・城北にも広い |
| 栄光ゼミナール(中学・高校受験) | 77 | 世田谷9・杉並6・大田5・板橋5。城東に厚い |
| ena(都立中・都立高) | 120 | 江東10・杉並10・練馬10・大田8・世田谷8・足立7・北7。23区全域に面的 |
| 市進学院(中学・高校受験) | 19 | 江戸川4・足立3。城東に厚い |
大手中学受験塾5社がそろう駅は吉祥寺・成城学園前・お茶の水。4社は自由が丘・豊洲・町田・渋谷・練馬・巣鴨・勝どき晴海月島。私立中への進学率が低い区ほど、都立中対策塾の存在感が大きくなります。
| 学校の種類 | 所在の分布 |
|---|---|
| 私立小(協会加盟55校) | 世田谷8・千代田3・渋谷3・武蔵野3・国立3。中央・台東・墨田・江東・荒川・足立・葛飾は0 |
| 私立中(185校) | 世田谷19・文京14・千代田12・港12・北10・豊島9・杉並8。城東4区と足立・荒川の合計は14校 |
| 国立の附属小 | 文京区大塚に3校が集中。ほかに世田谷・小金井・大泉。住所で出願できる範囲が決まる(例: 23区内のみ、世田谷・目黒・大田の指定町名のみ) |
| 都立・区立の中高一貫 11校 | 千代田・文京・台東・墨田・目黒・中野・練馬・武蔵野・三鷹・立川・八王子。品川・大田・葛飾・江戸川・足立には所在校なし。通学区域はなく、都内在住なら出願できる。2026年度の一般枠は各校152名、合計1,502名 |
| 都立高 | 2003年度から学区なし。進学指導重点校7校は千代田・杉並・新宿・渋谷・国立・立川・八王子に所在。都内の中学校からの通学時間は平均70分(試算) |
| インター | 港33・世田谷14・渋谷12(プリスクール含む)。城東(江東・江戸川)にはインド系が集まる |
通塾率(令和7年度 全国学力・学習状況調査): 東京都は小学6年生57.9%、中学3年生68.2%(全国は43.9%・56.9%)。塾選びの決め手1位は「自宅からの距離・交通の便」59.5%。
「良い学区」に決まった答えはありません。選択肢と事実を知ったうえで、それぞれの家庭の答えを出してください。